フリーランスエンジニアとして独立すると、避けて通れないのが 確定申告。
案件獲得や納品に集中したいのに、「経理や税金がめんどうで頭が痛い…」という人も多いはずです。
そんな中、「エージェント経由で案件を受けると、確定申告って楽になるの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。
結論から言うと、エージェント経由にすると確定申告の手間はある程度軽減できるが、完全に不要になるわけではない、です。
この記事では、エージェントを利用した場合と直契約の場合を比較しつつ、確定申告がどのように変わるのかを解説します。
1. 確定申告で必要な作業とは?
フリーランスの確定申告は、基本的に次の流れになります。
- 売上(報酬)の記録
- 経費の記録(ソフト、書籍、交通費など)
- 帳簿作成(会計ソフトで仕訳)
- 確定申告書の作成・提出(青色申告/白色申告)
- 税金の納付
つまり、売上管理と経費管理 が大きなポイントです。
ここで「エージェント経由」か「直契約」かによって作業のしやすさが変わってきます。
2. エージェント経由だと楽になるポイント
① 売上管理がシンプルになる
エージェント経由の案件では、報酬が毎月まとめてエージェントから振り込まれる 形式が一般的です。
直契約だとクライアントごとに請求書を発行し、入金状況を確認する必要がありますが、エージェントなら「1社からの入金」になるため管理がシンプル。
② 請求書発行が不要な場合が多い
直契約では毎月請求書を作成・送付する必要があります。
一方エージェントでは、エージェントが企業に請求を代行してくれる ので、自分で請求書を発行しなくても報酬が振り込まれるケースが多いです。
③ 支払いサイトが安定している
「月末締め翌月15日払い」など、支払い条件が明確。
直契約では「入金が遅れる」「経営悪化で未払い」などのリスクがありますが、エージェント経由ならその心配が少なく、売上管理もしやすくなります。
④ 年間取引先が少なくて済む
直契約で10社と取引すれば「取引先10件」として記帳が必要ですが、エージェント経由なら「エージェント1社分」でOK。帳簿上の処理が楽になります。
3. ただし「完全に楽になる」わけではない理由
エージェント経由にしても、フリーランスである以上は以下の作業が残ります。
- 経費の記録(PC、通信費、書籍、勉強会費用など)
- 会計ソフトへの入力・仕訳
- 青色申告特別控除を受けるための帳簿管理
- 消費税の課税事業者なら消費税申告
つまり、売上管理はシンプルになるが、経費や帳簿付けは自分でやる必要がある ということです。
4. エージェント利用+会計ソフトで最強に楽になる
エージェント経由の報酬管理をさらに効率化するなら、会計ソフトの活用 が必須です。
おすすめ会計ソフト
- freee:初心者向け。銀行口座やクレカと自動連携できる。
- マネーフォワードクラウド:UIが見やすく、経理知識がある人向け。
- 弥生会計オンライン:青色申告に強い。
銀行振込の入金明細を自動で取り込めば、エージェントからの入金がそのまま売上として記録されるので、ほぼ手作業なしで帳簿が完成します。
5. エージェント経由と直契約の比較表
| 項目 | エージェント経由 | 直契約 |
|---|---|---|
| 請求書発行 | 不要な場合が多い | 毎月作成が必要 |
| 入金管理 | エージェント1社分で済む | 取引先ごとに確認 |
| 支払い遅延リスク | 低い | 取引先によっては高い |
| 確定申告の作業量 | 売上管理はシンプル | 売上管理が複雑 |
| 経費・帳簿管理 | 必要 | 必要 |
6. エージェントを使うべき人
- フリーランス1年目で確定申告に不安がある
- 複数クライアントの入金管理をしたくない
- 請求書業務の手間を減らしたい
- 安定した支払いサイトで安心したい
逆に、経理に慣れていて直契約で高単価を狙いたい人なら、エージェントを使わずに自力でやる選択もアリです。
まとめ
エージェントを使うと確定申告は 「完全に不要になるわけではないが、圧倒的に楽になる」 といえます。
- 請求書発行や入金管理の手間が減る
- 取引先が少なくなり帳簿管理がシンプルに
- 支払いサイトが安定し、売上計上が明確
一方で、経費記録や帳簿作成などの作業は残るため、会計ソフトと組み合わせるのがベスト です。
フリーランス1年目は特に「営業」「開発」「経理」と覚えることが多いので、エージェントを活用して負担を減らし、本業に集中するのが賢い戦略といえるでしょう。

