フリーランスエンジニアとして独立を考えたとき、多くの人が最初に悩むのが 「エージェントを使うべきか?」 という問題です。
実際、世の中には「エージェント経由じゃなく直契約で稼いでいる人」もいれば、「エージェントがいないと案件が取れない」という人もいます。
では、エージェントは本当に必要なのでしょうか?
この記事では、エージェントを利用するメリット・デメリット を整理しながら、「どんな人に必要なのか」を考えてみます。
1. フリーランスエージェントとは?
フリーランスエージェントとは、フリーランスエンジニアと企業を仲介するサービス のことです。
- 企業 → 「プロジェクトに必要な人材が欲しい」
- エンジニア → 「案件を探したい」
この両者をマッチングするのがエージェントの役割です。
代表的なエージェントには、レバテックフリーランス、ITプロパートナーズ、Midworksなどがあり、それぞれ得意分野や案件形態が異なります。
2. エージェントを使うメリット
① 営業しなくても案件が見つかる
最大のメリットは 「営業活動を代行してくれる」 こと。
フリーランスにとって案件探しは大きな負担ですが、エージェントに登録しておけば、担当者が希望条件に合う案件を紹介してくれます。
② 契約やお金のやり取りがスムーズ
契約書の締結、請求書の発行、報酬の支払いなど、煩雑な手続きを代行してくれるのも安心ポイント。特に駆け出しフリーランスにとっては大きな支えになります。
③ 報酬の未払いリスクが少ない
直契約だと「納品したのに支払われない」というトラブルもありえますが、エージェントを通すとこうしたリスクはほとんどありません。支払いサイトも比較的短め(翌月15日払いなど)が多いです。
④ 市場価値を把握できる
エージェントは常に最新の案件相場を把握しているため、「今のスキルでいくらくらい稼げるか」を教えてもらえます。相場感を知るだけでも面談を受ける価値があります。
⑤ キャリア相談やサポートも受けられる
単に案件紹介だけでなく、「将来はリモート案件を狙いたい」「週3で働きたい」など、キャリアプランに応じたアドバイスをしてくれる担当者もいます。
3. エージェントのデメリット
① 中間マージンが取られる
エージェントは仲介手数料として 10〜20%程度のマージン を取ります。
その分、直契約より単価が下がることも多いです。
② 案件の自由度が低い
エージェント案件は「週5常駐」「フルタイム」が基本。
週3やリモート案件は増えてきていますが、まだ数は限られています。自由度を求める人には物足りないかもしれません。
③ 紹介案件に偏りがある
エージェントによって得意分野が異なるため、紹介される案件に偏りが出ます。希望に合う案件が見つからない可能性もあります。
④ 自分の裁量で契約を調整しづらい
直契約なら「報酬や契約期間の交渉」を直接できますが、エージェント経由だと基本的に担当者を通す必要があります。その分スピード感は落ちます。
4. エージェントは「必要な人」と「そうでない人」
エージェントが必要な人
- 独立したばかりで案件のツテがない
- 営業が苦手、時間を割きたくない
- 報酬の未払いリスクを避けたい
- 相場感を知りたい
- 安定して案件を受けたい
エージェントが不要な人
- 既に直契約の顧客が複数いる
- 自分で営業できるスキルや人脈がある
- 案件単価を最大化したい
- フルリモート・週3案件など自由度を最優先したい
5. 実際の活用イメージ
私自身は独立初期にエージェントを使い、営業負担をゼロにして稼働を安定させました。
そこから実績や人脈を広げて、徐々に直契約やリモート案件にシフト。結果的に「エージェント → 直契約」のステップを踏むのが一番バランスが良いと感じています。
6. 結論:フリーランスエージェントは「使い方次第で武器になる」
エージェントは必ずしも全員に必要ではありません。
しかし、特に 独立初期〜中期 までは「案件獲得の安定装置」として非常に有効です。
- 案件を素早く確保したい → エージェントを使う
- 実績や人脈が育った → 直契約に挑戦する
- 両方を組み合わせてリスク分散する
こうした柔軟な使い方ができれば、エージェントはフリーランスの強力な武器になります。
まとめ
「フリーランスエージェントって本当に必要?」という問いに対する答えは、「人によって必要度が違う」 です。
- 初心者:必要度が高い(営業・契約面をカバーできる)
- 中級者:併用がおすすめ(エージェントで安定+直契約で単価アップ)
- 上級者:不要になる場合も(人脈と実績で直接契約可能)
つまり、エージェントは「依存するもの」ではなく「状況に応じて活用するもの」。
独立初期に頼りつつ、徐々に自走力を高めていくのが理想的な活用法です。

