エージェント利用で手数料はいくら引かれる?仕組みを解説

💰 お金・生活編

フリーランスエンジニアやデザイナーが案件を獲得する際に、もっとも一般的な方法のひとつが 「エージェントを通じて仕事を受注すること」 です。エージェントを利用すると営業や契約交渉の手間を省ける一方で、気になるのが 「手数料(マージン)」 の存在です。

「案件単価は高そうだけど、エージェントがどれくらい引いているんだろう?」
「直契約に比べて損しているのでは?」

こうした疑問を持つフリーランスは多いでしょう。本記事では、エージェント利用時の手数料の仕組み、相場感、そして注意すべきポイントを分かりやすく解説します。


1. エージェント手数料の基本構造

フリーランスエージェントは、企業とフリーランスの間に入り、案件を仲介するビジネスモデルです。

一般的な流れは以下の通り:

  1. 企業はエージェントに案件を依頼し、「発注額」を提示する
  2. エージェントはその金額から手数料を差し引き、残りをフリーランスに「支払額」として提示する
  3. フリーランスはその金額で契約し、稼働・納品する

つまり、エージェントの収益は 企業からの発注額 − フリーランスへの支払額 で生まれる「マージン」となります。


2. 手数料の相場はどのくらい?

エージェントの手数料は公開されていないケースが多く、フリーランスから見えにくいのが実情です。とはいえ、業界の一般的な相場は以下の通りです。

  • 大手エージェント:15〜25%程度
  • 中小・特化型エージェント:10〜20%程度
  • クラウドソーシング系:手数料として10〜20%を直接差し引くケースが多い

例えば企業が月額100万円で発注している案件で、エージェントが20%を手数料として取る場合、フリーランスへの支払額は80万円となります。

実際には「公開単価」しかフリーランスに提示されず、企業側の発注額を知らされないことが多いため、手数料の割合は不透明になりがちです。


3. なぜ手数料がかかるのか?

「直契約なら手数料を取られないのに、なぜエージェントを使うのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。手数料が発生するのには、以下のような理由があります。

  • 営業代行:自分で営業活動をする必要がなく、案件を安定的に紹介してもらえる
  • 契約・事務手続きの代行:契約書作成、請求書管理、支払い管理などの事務作業を肩代わりしてくれる
  • 支払い保証:企業からの入金が遅れたり未払いがあっても、エージェントが先にフリーランスへ支払ってくれることが多い
  • 単価交渉:エージェントがフリーランスの代わりに企業と交渉し、相場以上の単価を引き出してくれる場合がある

つまり、手数料は「営業+契約代行+保証+サポート」の対価と考えることができます。


4. 手数料にまつわる注意点

① 手数料の割合は非公開が多い

フリーランスに提示されるのは「支払額」のみで、企業側の発注額やエージェントの取り分はほとんど明かされません。そのため、実際にどのくらい引かれているのかを知るのは難しいです。

② エージェントによってサポートの厚みが異なる

同じ20%でも、「ただ仲介するだけ」のところと「営業・契約・福利厚生・学習支援」まで整えてくれるところがあります。手数料の割合だけで判断せず、サービス内容とのバランスを考えることが大切です。

③ 直契約より単価が高い場合もある

エージェントが企業との強いパイプを持っている場合、フリーランスが個人で営業するより高い単価を提示できることもあります。必ずしも「手数料分だけ損」というわけではありません。


5. 手数料を意識するための実践的な工夫

複数エージェントに登録して比較する

エージェントによって同じ企業案件でも提示額が異なるケースがあります。複数登録して案件を比較することで、実質的な手数料水準を推測できます。

「直請け」を視野に入れる

経験を積んだら、企業と直接契約を結ぶ方法もあります。営業や契約管理の手間は増えますが、手数料が発生しない分、収入は増える可能性が高いです。

高付加価値スキルを磨く

希少性の高いスキルを持っていれば、エージェントの取り分が多少あっても十分な単価を確保できます。AI、クラウド、セキュリティなどの分野は特に有利です。


まとめ:手数料は「コスト」ではなく「サービス料」

フリーランスエージェントの手数料は、一般的に 10〜25%程度 とされています。非公開が多いため不透明に感じることもありますが、その中には 営業・契約・支払い保証・交渉力 といった多くの付加価値が含まれています。

重要なのは、

  • 手数料率だけに目を向けず、サポート内容を比較すること
  • 複数のエージェントを併用して、最適な条件を探すこと
  • 将来的には直契約や複数案件掛け持ちも視野に入れること

こうした工夫を重ねれば、「エージェントを使っているから損をしている」という不安は薄れ、むしろ安心して高単価案件に取り組めるようになります。

フリーランスとして長く活動するうえで、手数料は避けられないものですが、それ以上に 「自分の時間を効率的に使い、安定して稼げる環境を得る」 ことの方がはるかに価値があるといえるでしょう。

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