はじめに
フリーランスエンジニアとして案件を獲得する際、エージェント経由や知人からの紹介と並んで強力な武器になるのがGitHubとポートフォリオです。
「スキルがあります」と口で言うよりも、実際にコードや成果物を見せる方が何倍も説得力があるからです。とくに実務経験が浅い人や、未経験からフリーランスを目指す人にとって、GitHubとポートフォリオは信頼を補う名刺代わりになります。
しかし、ただコードを置いただけ、ただサイトを作っただけでは効果は薄いのも事実。この記事では、案件獲得につながる「効果的なGitHubとポートフォリオの作り方」を解説します。
1. GitHubは「コードの公開場所」以上の存在
(1) GitHubで何を見られているか?
クライアントや採用担当は、GitHubを見るときに次のポイントをチェックしています。
- 継続的に更新されているか
- コミットメッセージがわかりやすいか
- ディレクトリ構造が整理されているか
- READMEが整備されているか
つまり「書けるかどうか」だけでなく、実務で一緒に仕事できるかどうかをGitHubから判断しているのです。
(2) 案件につながるGitHubの作り方
- 見せたいリポジトリを厳選:すべてを公開する必要はなく、完成度の高いものだけを公開
- READMEを充実させる:アプリ概要、使い方、技術スタック、スクリーンショットを明記
- 英語で書く工夫も有効:海外案件やグローバルクライアントに効果大
- テストコードやCIの導入:品質意識の高さをアピールできる
2. ポートフォリオは「案件獲得のショールーム」
(1) ポートフォリオの役割
ポートフォリオは「自分のスキル・実績を見せるショールーム」です。GitHubがコードそのものを見せる場なら、ポートフォリオは**「ビジネス視点での成果物」**をアピールする場になります。
(2) 掲載するべき内容
- プロフィール
- 名前、経歴、得意分野、スキルセット
- 開発歴や使用可能な言語・フレームワーク
- 制作実績
- スクリーンショット付きでアプリやサイトを紹介
- 役割(フロント担当、バックエンド担当など)を明記
- GitHub・SNSリンク
- コードが見られるGitHub、技術発信しているTwitterやQiita記事を紐づけ
- お問い合わせフォーム
- 案件相談が直接来るようにする
3. 案件が増えるポートフォリオの工夫
(1) 見やすいデザイン
ごちゃごちゃしたデザインは逆効果。シンプルで直感的に実績が伝わる構成にしましょう。
(2) 技術より「成果」を伝える
クライアントは「Reactが使えるか」よりも「その技術でどんな価値を出せるか」を重視します。
- ✕ 「ReactでTodoアプリを作りました」
- 〇 「Reactで作成したTodoアプリ。レスポンシブ対応済み、ローカルストレージを利用してデータ保持」
(3) 成果物リンクを用意
Webアプリならデモサイト、モバイルアプリならApp Store/Google Playリンクを掲載すると効果的です。
(4) 更新を続ける
古いまま放置されたポートフォリオは逆効果。「最終更新:2020年」のままだと「活動していないのでは?」と不信感につながります。
4. GitHub+ポートフォリオの組み合わせで信頼を強化
最強なのは、ポートフォリオからGitHubに誘導できる状態です。
- ポートフォリオで成果物を紹介
- 「ソースコードはこちら」とGitHubリンクを設置
- クライアントは完成形もコード品質もチェックできる
これにより、「技術力」と「成果物の完成度」を両面から証明できます。
5. よくある失敗例
- 中途半端な学習途中コードをそのまま公開
→ 未完成やバグだらけのコードはマイナス評価 - READMEが空白
→ クライアントは何を見ればいいかわからない - 案件につながらない趣味コードばかり
→ 技術アピールはできても「ビジネス実績」にならない - デザインがごちゃごちゃのポートフォリオ
→ 情報過多で見づらい
6. 案件が増える人の共通点
実際にGitHub・ポートフォリオ経由で案件を増やしている人には共通点があります。
- 毎月何らかの更新を継続している
- ポートフォリオに「問い合わせフォーム」を必ず設置
- 実績がなくても「模写・個人開発」で信頼を補っている
- 技術記事(Qiita/ブログ)とセットで発信している
つまり「作って終わり」ではなく、発信と更新をセットで続けていることが鍵です。
7. 今日からできるアクションプラン
- GitHubで「見せられるコード」を1つ整える
- READMEを英語・日本語両方で記述
- ポートフォリオサイトを立ち上げ、プロフィール+実績を載せる
- 問い合わせフォームを実装
- SNSやブログと連携して定期的に更新
まとめ
GitHubとポートフォリオは、フリーランスエンジニアにとって「案件を増やすための最強の営業ツール」です。
- GitHubは「コード品質と継続力」を見せる場
- ポートフォリオは「成果物と実績」をアピールする場
- 両方を組み合わせることで、案件獲得率は大きく向上する
👉 「スキルを証明する」から「信頼を勝ち取る」へ。
GitHubとポートフォリオを戦略的に作り込み、次の案件につなげていきましょう。

