フリーランスエンジニアのポートフォリオPython実装集

🔧 スキル・仕事編

はじめに

フリーランスエンジニアにとって、ポートフォリオは最強の営業ツールです。
スキルを証明するのに「GitHubのコード」や「動くデモ」があると、エージェントやクライアントに対して大きな説得力になります。

特にPythonはWeb・データ・自動化・AIなど活用範囲が広いため、ポートフォリオにしやすいテーマが豊富です。
この記事では、実際の案件でも評価されやすい ポートフォリオ実装アイデアとサンプル構成 を紹介します。


1. Webアプリ系ポートフォリオ

1-1. シンプルなAPIサーバー(Flask/FastAPI)

案件で評価されやすい理由

  • Web開発・API実装スキルを示せる
  • データを処理して返すシンプルなサービスはクライアントも理解しやすい

例:テキスト要約API

from fastapi import FastAPI
from transformers import pipeline

app = FastAPI()
summarizer = pipeline("summarization")

@app.post("/summarize")
def summarize(text: str):
    return {"summary": summarizer(text)[0]["summary_text"]}
  • 使った技術:FastAPI, Transformers, Docker
  • 見せ方:APIドキュメント(Swagger UI)+デモ用のフロントページ

1-2. ユーザー認証付きタスク管理アプリ

  • DjangoやFastAPIでユーザー登録・ログインを実装
  • SQLite/PostgreSQLでデータ管理
  • Dockerで動かせるようにする

ポイント

  • 認証・CRUD・DBの利用など、Webアプリの基本が揃う
  • 案件で即戦力になりやすい

1-3. ファイル変換・処理サービス

  • PDF → 画像変換
  • CSV → JSON変換
  • 画像のリサイズ・圧縮ツール

見せ方

  • HerokuやRailwayなどにデプロイし、無料で試せるようにしておくと印象が良い

2. データ分析・可視化系ポートフォリオ

2-1. 公開データの分析ダッシュボード

例:株価データ可視化アプリ

  • yfinanceで株価を取得
  • Pandasで加工
  • Plotly DashやStreamlitでグラフ表示
import yfinance as yf
import streamlit as st

st.title("株価ダッシュボード")
ticker = st.text_input("ティッカー", "AAPL")
data = yf.download(ticker, period="1y")
st.line_chart(data["Close"])
  • 見せ方:Streamlit Cloudにデプロイしてリンクをポートフォリオに掲載

2-2. データスクレイピング+分析レポート

  • BeautifulSoup/Seleniumでデータ収集
  • Pandasで加工、Matplotlibで可視化
  • 最終結果をJupyter Notebookにまとめる

ポイント

  • スクレイピング+データ分析は需要が多い
  • NotebookをGitHub上で見られるようにするとクライアントが確認しやすい

2-3. 自動レポート生成ツール

  • Google AnalyticsやSNSのAPIからデータ取得
  • PDF/Excelレポートを自動生成
  • 毎週メール送信するスクリプトを実装

アピール力

  • 「業務効率化できる人材」という印象を与えられる

3. 自動化・RPA系ポートフォリオ

3-1. Web操作自動化

  • Selenium / Playwrightでログイン〜データ取得〜Excel出力
  • 実際の業務を自動化するサンプルを見せると効果的
from selenium import webdriver
driver = webdriver.Chrome()
driver.get("https://example.com/login")
# ログイン処理

アピール力

  • 業務改善案件やスクレイピング案件の獲得に直結

3-2. 定期タスク実行(サーバーレス)

  • AWS Lambdaで毎日データを取得してS3に保存
  • Slack通知もセットで実装

例:毎朝株価を取得してSlack通知

import yfinance as yf
import requests

data = yf.download("AAPL", period="1d")
requests.post("https://slack.webhook.url", json={"text": f"AAPL: {data['Close'][-1]}"})

→ AWSにデプロイし、サーバーレス運用できることを示すと高単価案件につながる。


3-3. Excel自動操作ツール

  • openpyxlやpandasでExcelを編集
  • 業務効率化の定番で、実案件化しやすい

4. AI・機械学習系ポートフォリオ

4-1. 画像分類アプリ

  • PyTorch/TensorFlowで学習
  • FastAPIで推論APIを提供
  • Dockerで動かせるようにする

アピール力

  • AIモデル+デプロイの一連の流れを示せる

4-2. 自然言語処理アプリ

  • Transformersで要約、感情分析、文章分類
  • WebUI(Streamlitなど)でデモを公開

4-3. 需要予測や回帰分析

  • 公開データ(天気、売上、株価など)を使ってモデル作成
  • グラフや指標をわかりやすく可視化

5. ポートフォリオの見せ方

5-1. GitHubを整理する

  • READMEに「やったこと」「使った技術」「デモURL」「スクリーンショット」を記載
  • requirements.txt / Dockerfile を用意して再現性を示す

5-2. 動くデモを公開する

  • Streamlit Cloud, Railway, Render, Vercel などを活用
  • デモが動くとクライアントの印象が一気に良くなる

5-3. ポートフォリオサイトを作る

  • 自作サイトやNotionでまとめても良い
  • 「案件に活かせるスキル」がひと目でわかるようにする

6. 案件獲得につながるポイント

  • 業務で使える具体的なサンプルを作る
    → 「タスク管理アプリ」「データレポート自動化」など実務に直結するものが喜ばれる
  • クラウド運用まで含める
    → Lambda/Cloud Run で動くと、運用力もアピールできる
  • 継続保守や拡張が想定できるもの
    → スクレイピング+通知、データ取得+API提供など
  • ドキュメントを丁寧に
    → READMEがしっかりしているだけで評価が上がる

7. 単価・キャリアへの影響

  • 小規模ポートフォリオでも、クラウドや自動化を組み込むと 月50〜70万円クラスの案件獲得につながりやすい
  • AIモデル+Webデプロイまで対応できると、月80〜100万円以上の案件も狙える
  • 実際の案件では「似たようなツールを作った経験」が大きな武器になります

まとめ

フリーランスエンジニアのポートフォリオは、単なるコード集ではなく「実務で使える成果物」を示す場です。

特にPythonは以下の分野でポートフォリオを作りやすく、案件獲得に直結します。

  • Webアプリ・API(Flask/FastAPI/Django)
  • データ分析・可視化(Pandas/Streamlit)
  • 自動化・RPA(Selenium/AWS Lambda)
  • AI・機械学習(PyTorch/TensorFlow+デプロイ)

結論:動くデモとクラウドデプロイまで含んだポートフォリオを作れば、案件獲得の説得力が大幅にアップする。

ポートフォリオを単なる学習記録ではなく、クライアントに「任せられる」と思わせる作品集に仕上げるのが、フリーランスとして成功する近道です。

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