— フリーランスエンジニアがフリーランスエンジニアに伝えたい実践ノウハウ —
フリーランスとして活動していると、案件の獲得は永遠のテーマです。エージェント経由や知人の紹介、求人サイト経由などさまざまな方法がありますが、「自分の発信」から案件が舞い込んでくる仕組みを持つと、安定性と自由度が一気に高まります。
ここでは、筆者が実践してきた Zenn・Qiita を使った発信戦略と、実際にどう案件につなげているかを具体的に解説します。
なぜZenn・Qiitaがフリーランスに効くのか
1. 技術記事のSEOパワーが強い
ZennやQiitaはドメインが強く、ニッチな技術キーワードでもGoogle検索で上位に表示されやすいです。
「SwiftUI ScrollViewReader 自動スクロール」「Next.js i18n SEO」など、エンジニアが案件中に調べそうなワードで上位を取れれば、あなたの記事は**「同じ課題を抱えるエンジニア」だけでなく発注側のCTOやPM**の目にも留まります。
2. ポートフォリオとしてそのまま使える
GitHubだけでは伝わりにくい「設計力」「解説力」「技術の広さ」を、記事を通じて見せられます。特に実務の課題解決記事は、受託・業務委託を探している企業にとって「この人に頼めば同じ問題を解決してくれそう」という直接的な信頼材料になります。
3. SNSよりも「指名検索」に強い
TwitterやXのタイムラインは流れてしまいますが、Zenn・Qiitaの記事は検索で長期的に読まれ続けます。「◯◯ フリーランス」「◯◯ SwiftUI」などで指名されやすくなり、営業せずとも仕事が来る「インバウンド型」につながります。
発信テーマの選び方
1. 実務でつまずいたことをそのまま書く
実務の中で調べたこと・ハマったこと・解決策をそのまま記事化するのが最も効果的です。
例えば以下のようなテーマはニーズが高いです。
- APIの制限を回避する実装例(例:J-Quantsの株価APIを効率的に叩く方法)
- iOSアプリのASO(App Store Optimization)や多言語対応
- 個人開発アプリの広告収益化の実データと考察
- SwiftUIでのUI実装テクニック(ScrollViewReader, GeometryReader, AppStorageなど)
「実案件で困ったこと」は同じように困っている人が必ずいます。検索需要があるうえ、あなたが即戦力である証明にもなるのでおすすめです。
2. ニッチ技術×ビジネス寄りの話が刺さる
単なるHowToよりも、実案件でどう活用したかをセットで書くと差別化できます。
例:
- 「iOSローカリゼーションを20言語対応したらDL数とAdMob収益がどう変わったか」
- 「週3勤務フリーランスがASOでダウンロードを伸ばして生活を安定させた話」
技術とビジネスの交差点は、発注側が「自社の利益に貢献してくれそう」と判断しやすいポイントです。
3. キーワードを意識する
記事を書く前に、Google検索やZennの検索で関連ワードを調べましょう。
たとえば「SwiftUI ScrollViewReader」は競合記事が少なく、実装例を出せば上位を狙いやすいです。タイトルに具体的なキーワードを入れるのが鉄則です。
記事の書き方のコツ
- 最初に結論とサンプルコードを置く
忙しいエンジニアやPMは冒頭で解決策がわかると離脱しません。 - 実行環境・前提を明記する
iOS17 / Swift 5.9 / Xcode15 のように環境を記載すると、読者は「自分の状況で使えるか」すぐ判断できます。 - 図やスクショを惜しまない
UI改善系の記事なら画面キャプチャ、データ分析ならグラフを入れると理解度が一気に上がります。 - 成果・効果を数字で示す
「ローカライズ後にDL数が1.8倍、AdMob eCPMが◯ドルに」など、定量的な実績は営業資料にもなります。 - 自己紹介・連絡先を自然に入れる
記事末尾に「iOSアプリ開発・ASO改善のご相談はDMまたはサイトから」と添えておくと、営業色を強めずに誘導できます。
記事公開後にやるべきこと
1. SNSでシェアする
X(旧Twitter)やLinkedInにリンクを貼って発信しましょう。Zenn・Qiitaのトレンドに乗れば拡散しやすくなります。
2. 自分のサイトにまとめる
Zenn・Qiitaの記事をポートフォリオサイトやブログにリンクしておくと、発注者があなたの発信を一括で見られます。
特にhttps://freelance-engineer-anken.com/のような自分のメディアを持っているなら、**「実績・記事一覧」**としてまとめると営業力が上がります。
3. 記事を定期的にメンテナンスする
古い情報は検索順位を落とします。半年〜1年に一度、最新の技術仕様に合わせて更新しましょう。
案件につなげる具体的な導線
- 記事末尾に 「お仕事のご相談はこちら」 として自サイトやフォームへのリンクを設置
- Zennのプロフィール欄に「フリーランスiOSエンジニア。業務委託・個人開発アドバイス可」と明記
- QiitaはOrganization参加(クライアント企業が所属していることもある)で視認性を高める
- GitHubリポジトリや実績アプリのリンクを目立つ場所に貼る
- 「フリーランス」「受託」「リモートワーク」などのワードをプロフィールやタグに加えることで、企業のスカウト検索に引っかかりやすくする
まとめ
ZennやQiitaでの発信は、単なるアウトプットの場ではなく営業の自動化ツールです。
- 実務で得た知見を記事化する
- 検索需要のあるテーマ+ビジネス視点を意識する
- 成果を数字で示し、自然に連絡先を置く
- 公開後はSNS・自サイトで再利用し、定期的に更新する
この流れを回すだけで、エージェント頼みから脱却し、自分を指名してくれるクライアントを増やすことができます。
「営業が苦手」「案件探しが面倒」と感じているフリーランスこそ、まずは一つ記事を書いてみてください。
数ヶ月後には、あなたの記事を読んだ企業から「一緒に働きませんか?」と声がかかるかもしれません。

