リモート案件でチームに馴染めなかった体験

📈 体験談・ケーススタディ編

— フリーランスエンジニアが学んだコミュニケーションの大切さ —

フリーランスとして活動していると、リモートワークは大きな魅力の一つです。
場所を選ばず、柔軟に働ける一方で、チームに馴染めず孤立するリスクもあります。

今回は、筆者が実際に経験した「リモート案件でチームにうまく溶け込めなかった失敗談」と、そこから学んだ改善ポイントを共有します。


プロジェクトの概要

筆者は当時、フルリモートで稼働するモバイルアプリ開発の案件を受けました。

  • 契約形態:週4〜5日の準委任契約
  • チーム構成:日本人エンジニア3名、PM1名、デザイナー1名
  • ツール:Slack、Zoom、GitHub、Jira
  • 開発内容:iOSアプリの新機能追加と既存コードの改善

リモート案件の経験はそれなりにあり、自分のタスクを黙々とこなすことに慣れていたため、特に不安は感じていませんでした。


なぜ馴染めなかったのか — 振り返り

1. 初期コミュニケーションを軽視した

プロジェクト初日にオンボーディングミーティングはありましたが、自己紹介は簡単に済ませただけ。
「早く仕事に取りかからなきゃ」と思い、雑談や関係づくりを後回しにしてしまいました

結果、他のメンバーが軽く雑談したり意見交換するSlackスレッドに入りづらくなり、
技術的な質問をするときも心理的ハードルが高くなってしまいました。

2. タスク中心で、背景理解を怠った

割り当てられたチケットだけをこなすことに集中し、なぜその機能が必要なのか、どんなユーザー体験を目指しているのかを深く理解しませんでした

そのため、仕様の不明点を質問するときも的を射ない質問になり、
「背景を理解していない」と感じられたのか、PMや他のメンバーからのレスが淡泊になっていった印象があります。

3. 同期コミュニケーションを避けすぎた

リモートワークではテキスト中心で済ませがちです。
「Zoomで確認した方が早いかな?」と思いつつも、相手の時間を奪うのが申し訳なくて、Slackメッセージで済ませていました。

結果、細かいニュアンスが伝わらず、誤解したまま進めてしまうことが増えたのです。

4. 自分から情報を発信しなかった

進捗や問題点を自分から積極的に共有せず、タスク完了時だけ報告していました。
「順調そうに見えるけど、実際どうなんだろう?」と不安を与えていたかもしれません。


チームの反応とプロジェクトの結果

  • 徐々にSlack上の会話に呼ばれなくなり、雑談や設計議論がクローズドになっていった
  • レビューで指摘が増えたが、背景の説明がなく、淡々と「修正してください」とだけ書かれることが多くなった
  • 3か月の契約更新時に「契約を延長しない」と伝えられ、結果的にフェードアウトする形で終了

タスクは一応こなしていたものの、チームの一員として信頼を築けなかったことが大きな原因でした。


学んだことと改善ポイント

1. 初期の関係構築は大事

リモートでも最初の数週間でどれだけ信頼関係を作れるかが重要です。

  • オンボーディング時は自己紹介+これまでの経験をしっかり共有
  • Slackでも簡単な雑談に参加してみる
  • 「◯◯の仕様を学んでいます」「これから着手します」と軽く発信

「自分はオープンで話しかけやすい人」だと示すのが大切だと痛感しました。

2. タスクの背景を理解する

与えられたチケットだけに集中するのではなく、

  • なぜこの機能が必要なのか
  • ユーザーやビジネスへの影響は何か
  • 技術的な制約はあるか

を意識して質問したり、ミーティングで確認するようにしました。
背景を理解するとレビュー時にも建設的な意見ができ、「チームの一員」として認められやすくなります

3. 非同期と同期をうまく使い分ける

Slackで伝わりづらいと感じたら、5分でもZoomをお願いする勇気を持つこと。
「少し口頭で確認してもいいですか?」と聞くと意外と快く応じてもらえます。

4. 進捗共有をこまめに行う

  • 「今日はここまで進みました」
  • 「この部分で少し詰まっています」

といった小さな共有でも、チームは安心します。
筆者はその後、毎朝か毎週1回の進捗共有を習慣化することで改善できました。

5. オンラインでも「見える化」する

  • NotionやTrelloでタスク状況を更新
  • GitHub Issueを細かく整理
  • PRに背景や考え方を丁寧に書く

これにより、非同期環境でも信頼を築きやすくなります。


その後の変化

この失敗を経て、次の案件からは次のように意識を変えました。

  • 最初の1週間でできるだけミーティングに顔を出す
  • 雑談スレッドや雑記チャンネルに軽く参加
  • PRやタスク管理を通じて自分の考えを可視化する
  • 「同期の方が早い」と感じたら迷わずミーティングを依頼

結果、以降のプロジェクトでは 「リモートでも安心して任せられる人」 と評価されるようになり、長期契約や単価アップにもつながりました。


リモートで馴染むためのチェックリスト

  • 初日に自己紹介をしっかりする
  • タスクの背景・目的を理解してから着手する
  • 進捗をこまめに共有する
  • Slackだけで伝わりにくい時はすぐZoomを提案する
  • 雑談や非公式なコミュニケーションにも少し参加する
  • PRやドキュメントを丁寧に書く

このチェックリストを意識するだけでも、孤立リスクを大きく減らせます。


まとめ

  • リモート案件は自由度が高い一方で、意識的に関係構築をしないと孤立しやすい
  • 自分の失敗は「初期のコミュニケーション軽視」「背景理解不足」「非同期依存しすぎ」だった
  • 改善策は
    • 初期の自己紹介・雑談参加
    • タスクの背景を理解
    • 同期コミュニケーションをためらわない
    • 進捗共有と可視化を習慣化する

フリーランスは成果を出すだけでなく、チームの一員として信頼を築く力が大切です。
孤立を避けるためには、技術力以上にコミュニケーションへの意識が欠かせないと実感しました。

リモートでうまくやれていないと感じている方は、まず小さな自己開示と進捗共有から始めてみると、チームとの距離がぐっと近づくはずです。

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