フリーランスとして独立すると、収入の波や将来の不安から「投資をしてお金を増やしたい」と考える人は多いはずです。
しかし同時に、
- 「個人事業主が株をやっても問題ないの?」
- 「事業所得と混ざって税金が複雑にならない?」
- 「エージェントやクライアントに知られることはあるの?」
といった疑問や不安も出てきます。
私も独立して間もない頃、生活防衛資金を作りながら投資を始めた経験があります。
結論から言うと、フリーランスが株や投資をするのは法律的にも問題ありません。
ただし、税金や資金管理のポイントを理解しておくことが重要です。
この記事では、フリーランスエンジニアが投資をする際に知っておくべき基本を解説します。
結論:フリーランスでも株や投資は自由にできる
会社員と同じく、フリーランスも株式・投資信託・仮想通貨・不動産投資などを自由に行うことができます。
- 法律上の制限はありません。
- エージェントやクライアントが干渉することも基本的にありません。
- 届け出や許可も不要です。
副業禁止規定がないため、会社員よりも自由度は高いといえます。
ただし、税金・資金管理・リスクコントロールはすべて自己責任になります。
フリーランスが投資をするときの税金の基本
1. 株・投資信託の利益は「雑所得」か「申告分離課税」
株や投資信託の利益は、給与所得や事業所得とは別に**申告分離課税(20.315%)**で課税されます。
- 株の売却益・配当金・投資信託の分配金
→ 原則、20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
→ 特定口座(源泉徴収あり)を選べば確定申告不要も可能。
私も特定口座(源泉徴収あり)を使っており、確定申告は事業所得の分だけ行い、株の利益は自動的に課税されています。
手間を減らしたいなら特定口座+源泉徴収ありがおすすめです。
2. 仮想通貨・FXは「雑所得」扱いで総合課税
仮想通貨やFXの利益は**雑所得(総合課税)**となり、事業所得などと合算されて所得税率が上がる可能性があります。
- 所得が増えるほど税率が高くなる(最大45%+住民税10%)
- 赤字と事業所得は基本的に通算できない
税率が高くなる可能性があるため、仮想通貨やFXを大きく扱う場合は税理士に相談すると安心です。
3. NISA・新NISAを活用すると税金がゼロに
2024年から始まった新NISAは、投資で得た利益が非課税になります。
フリーランスでももちろん利用可能です。
- 年間360万円まで投資でき、売却益・配当が非課税
- 長期投資を考えるなら非常に有効
私も独立後、まずNISAから投資を始めました。非課税のメリットが大きく、税金計算も簡単です。
4. 青色申告との関係は?
株や投資の利益は基本的に事業所得ではないため、青色申告の65万円控除などには影響しません。
- 投資用口座は事業の会計とは分けるのが基本。
- 事業の会計ソフトに投資の取引を混ぜない方が分かりやすいです。
投資資金の考え方(キャッシュフローを守る)
フリーランスは収入が不安定でキャッシュフローが命なので、投資資金の管理は慎重に行いましょう。
✅ 1. まず「生活防衛資金」を確保する
- 最低でも6か月〜1年分の生活費+事業運転資金を現金で確保する。
- 案件が切れたときのバッファがないまま投資すると、相場が下がったときに生活費を取り崩す羽目になります。
✅ 2. 余剰資金で投資する
- 「余剰資金=なくなっても生活に困らないお金」
- 投資は事業資金とは完全に切り離して考える。
✅ 3. 定期的に収支を見直す
- 案件が減って収入が下がったら、投資額を抑えるなど柔軟に調整。
フリーランスが投資をするメリット
- 老後資金・将来への備えになる
→ 会社員と違って退職金がないので、自分で資産を作る必要がある。 - 収入源の分散になる
→ 案件が減っても、投資からの配当や利益が生活の支えになる。 - 節税メリットを活用できる
→ NISA・iDeCoなどを組み合わせれば税金を大きく減らせる。 - お金のリテラシーが上がる
→ 事業資金や税金の管理にも良い影響を与える。
注意すべきリスクと落とし穴
- 投資で損を出しても事業所得とは通算できない
→ 事業が黒字でも、投資の赤字で税金が減ることは基本的にない。 - 大きく損失を出すとキャッシュフローが崩れる
→ 生活資金や事業資金を投資に使いすぎない。 - 税金の申告漏れに注意
→ 特定口座(源泉徴収あり)以外だと確定申告が必要。仮想通貨・FXは特に忘れがち。 - 信用取引やレバレッジ取引はリスクが高い
→ キャッシュフローが命のフリーランスには不向き。
私の実体験:独立後の投資ステップ
- 独立1年目:まず生活防衛資金を半年分確保。投資はNISAの積立だけに限定。
- 2年目:案件が安定してきたタイミングで、余剰資金を使ってETF・株式投資を開始。
- 3年目以降:事業が安定してから、配当株やインデックス投資を増やし、老後資金を計画的に形成。
結果として、事業の波に左右されにくくなり、精神的な安心感が大きくなりました。
最初から大きく投資しようとせず、「生活防衛資金+少額からの積立」が安全です。
まとめ:フリーランスでも投資は自由、ただし自己責任で計画的に
- フリーランスは法律的に株や投資を自由に行える。副業禁止の概念もない。
- ただし税金ルールを理解しておくことが重要(株は申告分離課税、仮想通貨・FXは総合課税)。
- 生活防衛資金を確保してから、余剰資金で投資するのが鉄則。
- NISA・iDeCoを活用すれば税制メリットを得やすい。
- 信用取引やレバレッジは避け、事業資金と混ぜないことが大切。
フリーランスは収入の波があり、将来の保障も薄いですが、投資を上手に取り入れれば長期的な安定につながります。
まずは安全な範囲で少額から始め、税金と資金管理を意識しながら、資産形成を進めていきましょう。

