契約更新交渉を有利に進めるタイミングと伝え方【フリーランスエンジニア】

💼 実務・契約編

― “継続”が最大の評価になる ―

はじめに

フリーランスとして一定期間同じ案件に参画していると、
必ず訪れるのが 契約更新のタイミング

継続してもらえるのは何より嬉しいことですが、
実はここが 収入を伸ばす最大のチャンスでもあります。

しかし、

  • どのタイミングで言えばいい?
  • どう伝えれば印象を悪くしない?
  • 無茶な要求だと思われないか?

と悩む人も多いはず。

そこで今回は、実務経験から得た
契約更新交渉の「勝ち筋」をまとめてみました。


原則:更新交渉は“更新話が出る前”に動く

まず一番大事なポイントはこれです👇

✅ 更新の打診を受けてから交渉するのは遅い

なぜなら、

企業側は「継続ありき」で予算を組む
→ その後に単価交渉される
→ 予算を変えにくい(却下される)

という構造があるため。

なので、タイミングの正解は…

**「検討が始まる前」**に動くこと

一般的には、

契約期間交渉開始目安
3か月契約満了の 4〜6週間前
6か月契約満了の 2〜3か月前

この頃には企業側が評価や予算を整理し始めます。

「更新します?どうします?」
と言われてからだと、ほぼ後手です。


単価アップは“成果”とセットで言う

金額の話をするとき、重要なのは

✅「根拠」を一緒に提示すること

根拠があれば
交渉ではなく提案になります。

よくある根拠の例:

  • 担当範囲が広がった/役割が変わった
  • 納期短縮、品質改善、クライアント工数削減
  • 他メンバーの教育も担っている
  • 市場単価と差がある

数字があると強いです👇

  • 例:障害報告率が月10件 → 3件へ
  • 例:作業時間30%削減
  • 例:リリース遅延ゼロ

評価者に伝わるのは、
**成果の“事実”と“影響”**です。


実際の伝え方テンプレ例

言いにくければ、この形式で十分通じます👇


📌 メッセージ例(Slack/メール)

お世話になっております。
現在の契約が◯月で満了になるため、次期契約について一度ご相談させてください。

これまでの◯◯への貢献内容(例:機能改善・生産性向上など)を踏まえ、
次期からのご契約条件について調整の余地をいただければと考えております。

ぜひ今週〜来週中に15分ほどお時間いただけないでしょうか?
よろしくお願いいたします。


ポイントは、

  • まず 相談枠の確保
  • 金額は 面談で話す

文章で数字を提示しすぎると
受け手の心理的抵抗が高まるためです。


NGな伝え方

以下は失敗しやすい例👇

  • 「値上げしてください」だけの直球
  • いきなり金額提示
  • 不満ベースの言い方
  • 自分都合(生活費、別案件との比較)

✕「モチベーションが下がっていて…」
✕「知り合いはもっと高いので…」

これは要求に聞こえ、印象が悪くなります。


エージェント案件の場合の立ち回り

エージェント挟みなら、
まずはエージェントに相談しましょう。

エージェントのメリット👇

  • 市場価格を把握している
  • 金額交渉に慣れている
  • 成果を代弁してくれる

ただし注意点👇

✅ エージェントが渋る場合は、自分の市場価値より
✅“エージェントの利益”が優先されている可能性あり

その時は
複数のエージェント比較を検討するのも一手です。


単価アップが認められやすい状況

🟢 OKが出やすいケース

  • 役割が上流+広範囲になった
  • チームに依存度が高い(代替が効きにくい)
  • プロダクトが成長フェーズ
  • 採用難の技術領域

特に、

「変えが効かない人材」になること

が強い武器になります。


単価アップが難しい場合の代替案

もし金額が上がらなくても、

  • 稼働日数(週数)の見直し
  • リモート比率の増加
  • 作業範囲の削減
  • 契約期間の短縮
  • 技術習得支援

など、
別方向での条件改善が可能な場合もあります。

「金額だけが交渉材料じゃない」
と知っておくのは強みです。


それでも折り合わなければ…

その案件に固執しすぎないことも大切です。

成長中のエンジニアほど、
市場価値は短期間で上がります。

現状維持は実質の値下げ

ということもあります。

あなたの価値を
正しく扱ってくれる場所は必ずあります。


まとめ:交渉は「関係をより良くするため」のもの

契約更新交渉は、

奪い合いではなく、相互理解の場

です。

  • 適切なタイミングで
  • 根拠を添えて
  • 丁寧に伝える

たったこれだけで、
収入も信頼も大きく変わります。

「言いづらいから今回はいいか…」
を続けてしまうと、取り返しがつかなくなることも。

自分の価値を守れるのは、自分だけです。

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