「フリーランスは住宅ローンが通りにくい」とよく言われます。会社員と比べて収入が不安定に見られるため、銀行の審査が厳しくなるのは事実です。しかし、実際にフリーランスでも住宅ローンを組んで家を購入した人は少なくありません。
本記事では、私自身がフリーランスとして住宅ローンを申し込んだときの実体験をもとに、審査の流れや準備すべきこと、注意点をリアルにレポートします。
1. フリーランスはなぜ住宅ローンに不利なのか?
会社員や公務員と比べて、フリーランスが不利になる理由は以下の通りです。
- 収入が安定していないと見られる
毎月の給料が保証されている会社員に比べ、フリーランスは案件や契約の有無で収入が上下します。そのため、返済能力が不安定と判断されやすいのです。 - 社会的信用の差
会社員は勤務先の安定性も評価対象になりますが、フリーランスは「個人の実績」しか判断材料がありません。 - 必要書類が多い
源泉徴収票があれば済む会社員と違い、フリーランスは確定申告書や納税証明書、取引先契約書などを揃える必要があります。
こうした理由から、フリーランスは「3年分の確定申告書」が最低限必要とされる金融機関が多いです。
2. 私がローン審査を受けた流れ
ステップ1:金融機関選び
まずは複数の銀行に相談しました。大手銀行はやはり審査基準が厳しく、フリーランスにはハードルが高いと感じました。一方で、ネット銀行や地銀、信用金庫は「柔軟に対応します」と言ってくれるところもありました。
ステップ2:必要書類の準備
提出した主な書類は以下です。
- 確定申告書3期分
- 納税証明書(その年の納税状況がわかるもの)
- 取引先との契約書や発注書のコピー
- 銀行口座の入出金明細(収入の安定性を示すため)
この時点で「きちんと申告して税金を払っておいてよかった」と実感しました。節税目的で経費を多く計上しすぎていると、所得が低く見えて審査に不利になります。
ステップ3:事前審査
最初に受けたのはネット銀行での事前審査。結果は「否決」でした。理由は明確には教えてもらえませんでしたが、収入の安定性や事業内容が判断しにくかったのだと思います。
しかし、次に地元の信用金庫に申し込んだところ、担当者が丁寧に話を聞いてくれて「事業内容が安定している」と評価され、事前審査は通過しました。
ステップ4:本審査
本審査ではさらに細かくチェックされましたが、最終的に 年収の7倍程度まで融資可能 との結果をもらい、無事にローン契約を結ぶことができました。
3. フリーランスが住宅ローンを通すためのポイント
① 確定申告を正しく行う
「できるだけ経費を増やして節税しよう」と考えるのは普通ですが、住宅ローンを考えるならある程度の所得を確保することが大切です。審査では「課税所得」が基準になるため、所得が低すぎると借入額も減ってしまいます。
② 安定した収入を見せる
売上の増減が大きいと「安定性に欠ける」と判断されます。できれば3年間で右肩上がり、あるいは安定して同水準を維持しているのが理想です。
③ 頭金を用意する
フルローンよりも、ある程度の頭金を入れた方が審査は有利です。私は物件価格の約2割を頭金にしました。
④ 金融機関を選ぶ
大手銀行よりも、地銀や信用金庫、あるいはフリーランスや自営業者向けの実績がある金融機関の方が通りやすい傾向があります。相談段階で「フリーランスでも実績あります」と言ってくれるかどうかが目安です。
⑤ クレジットヒストリーを整える
過去の延滞や支払いトラブルは必ずチェックされます。クレジットカードや携帯料金の滞納があると審査落ちのリスクが高まります。
4. 実際に組んでみて感じたこと
正直に言うと、最初は「やっぱりフリーランスには無理なんじゃないか」と不安でした。しかし、きちんと確定申告をして実績を積んでいれば、銀行は真剣に話を聞いてくれます。
実際にローンを組んでみて感じたのは、
- 「安定性」をどうアピールするかが鍵
- 銀行担当者と信頼関係を築くことが重要
- 一発で落ちても諦めず、複数行に相談するのが正解
という点です。
まとめ:フリーランスでも住宅ローンは可能
フリーランスだからといって、住宅ローンが絶対に組めないわけではありません。確かに会社員よりはハードルが高いですが、
- 確定申告を正しく行い、課税所得を安定させる
- 過去3年分の収入をしっかり積み上げる
- 頭金や信用情報で信頼性を示す
- フリーランス実績のある金融機関を選ぶ
これらを意識すれば、十分にローンを組むことは可能です。
私自身がフリーランスで住宅を購入できた経験から言えるのは、「準備さえすれば道は開ける」 ということ。これから住宅購入を検討しているフリーランスの方は、ぜひ早めに確定申告や資金準備に取り組み、未来への一歩を踏み出してみてください。

