フリーランスとして活動を始めると、必ず直面するのが 「エージェント経由と直契約のどちらで案件を獲得すべきか?」 という問題です。
エージェントを使えば営業や契約周りを代行してくれる一方で、手数料(マージン)が発生します。直契約なら収入を最大化できる可能性がありますが、案件獲得や契約リスクを自分で背負う必要があります。
では実際のところ、どちらが得なのでしょうか? 本記事では、エージェント経由と直契約のメリット・デメリットを徹底比較し、状況に応じた使い分けのポイントを解説します。
1. エージェント経由のメリット・デメリット
メリット
- 案件が豊富で探しやすい
エージェントは企業と多数の取引関係を持っているため、案件情報が集約されています。登録しておけば、条件に合う案件を紹介してもらえるため、自分で営業するより効率的です。 - 営業・契約・単価交渉を代行してくれる
フリーランスが苦手としがちな交渉や契約関連を任せられるのは大きなメリット。単価アップの交渉も代行してくれるエージェントが多く、結果的に手取りが上がることもあります。 - 支払いが安定している
企業からの入金が遅れても、エージェントが立て替えて支払ってくれるケースが多いため、キャッシュフローが安定します。 - サポート体制が充実
キャリア相談や福利厚生、学習支援サービスを提供しているエージェントもあり、安心感があります。
デメリット
- 手数料が引かれる
一般的に10〜25%程度のマージンが差し引かれると言われています。案件単価は高めでも、直契約より手取りは減る可能性があります。 - 案件の自由度が低い
週5常駐案件が多いなど、働き方が固定されやすい傾向があります。リモートや週2〜3日勤務を希望すると選択肢はやや減ります。 - クライアントとの直接関係が築きにくい
契約はエージェントを通して行うため、クライアントと直接の信頼関係を作りにくい面があります。
2. 直契約のメリット・デメリット
メリット
- 手取りが最大化できる
エージェントのマージンがないため、同じ単価でも手取り額は高くなります。例えば企業が100万円で発注する案件なら、直契約では丸ごと100万円が自分の報酬になります。 - 柔軟な契約が可能
稼働日数や勤務形態、報酬形態などを直接交渉できるため、より自分に合った働き方を実現できます。 - クライアントと直接関係を築ける
信頼関係が強化され、リピート案件や紹介につながる可能性が高まります。結果的に長期的な安定収入を得られることもあります。
デメリット
- 営業活動が必要
案件獲得のために、自分で営業やマーケティングを行う必要があります。ポートフォリオ作成やSNS発信など、営業スキルが問われます。 - 契約リスクを自分で負う
契約書の作成や報酬未払いリスクをすべて自分で管理しなければなりません。トラブル時の対応も自己責任です。 - キャッシュフローが不安定になりやすい
入金遅延や未払いの可能性があるため、資金管理に注意が必要です。
3. どちらを選ぶべき?状況別のおすすめ
フリーランス1年目
→ エージェント経由がおすすめ
実績や信頼がない段階では、営業活動に時間を割くより、エージェントを通して安定的に案件を得る方が効率的です。特にキャッシュフローの安定は大きな安心材料です。
実績が増えてきた2〜3年目
→ 併用がおすすめ
エージェント案件で収入を安定させつつ、ポートフォリオを整えて直契約にも挑戦。営業力を磨くことで、徐々に直契約の比率を増やすと良いです。
営業力に自信がある・既存の人脈がある人
→ 直契約がおすすめ
すでにクライアントとの関係性があり、リピート案件や紹介で仕事が回っている人は直契約の方が効率的。高単価・柔軟な働き方を実現しやすいです。
4. エージェントと直契約を併用する戦略
実は「どちらが得か」という二者択一ではなく、両方を併用するのが現実的な戦略です。
- エージェント経由:安定収入の基盤をつくる
- 直契約:収入の最大化や自由度を追求する
例えば、エージェント案件で週3稼働しつつ、残りの時間で直契約の小規模案件をこなすなど、リスクを分散させる働き方が可能です。
まとめ:最初はエージェント、慣れてきたら直契約へ
- エージェント経由は「安定・安心・効率」のメリットがある反面、手数料と自由度の低さがデメリット。
- 直契約は「高収入・自由度・関係性強化」が魅力だが、営業力とリスク管理が必須。
フリーランス1年目はエージェントを活用して基盤を固め、経験と実績を積んだら徐々に直契約にシフトしていくのが理想的です。
結局のところ、どちらが得かは「その時点の自分の状況」によって変わります。両方のメリットを理解したうえで、バランスよく活用することが、フリーランスとして長く安定して働くための最適解といえるでしょう。

