(フリーランスエンジニアを目指す人へ)
はじめに
フリーランスエンジニアとして活動を始めるとき、多くの人が利用するのがフリーランスエージェントです。エージェントは企業とエンジニアを仲介し、案件を紹介してくれる存在。特に常駐型やリモート型の開発案件では、個人で直接契約するよりも効率的に案件を得られます。
一方で「副業としてエージェント経由の案件を受けられるのか?」という疑問を持つ方も多いはず。正社員や別のフリー案件と並行して働けるのか、契約的に問題はないのか、実務的に両立できるのか。今回はフリーランスエンジニアの立場から、このテーマを整理して解説します。
1. エージェント案件の基本的な特徴
エージェントが扱う案件の多くは、**週3〜5日稼働を前提とした準委任契約(業務委託契約)**です。
- 月額報酬型(例:週5常駐で月60万円)
- 稼働日数に応じた単価変動(例:週3なら単価が60%程度になる)
- 常駐型はフルタイム拘束が多い
- リモート案件でも稼働時間帯は指定される場合がある
つまり、「副業」というよりは「メインの仕事」として成り立つように設計されていることが多いのです。
2. 契約上の制約
競業避止条項
多くのエージェント契約やクライアント契約には、競合他社案件を同時に受けないことが明記されています。特に同じ業界や同じプロジェクト領域に関わる副業はNGとなるケースが多いです。
- 例:A社のECシステム開発案件を受けながら、B社のECシステム開発を並行で受ける → 契約違反の可能性
稼働時間の縛り
「週◯日稼働」と記載されている場合、その分の時間を確保しなければなりません。契約で「週5日常駐」とあれば、他の副業をやる余地はほぼありません。
3. 実務的に副業は可能か?
結論から言うと、条件次第で可能です。
- 週2〜3日の稼働案件を選べば、残りの時間を副業に充てられる
- 納品型案件(成果物ベース)であれば、スケジュール管理の自由度が高い
- 夜間や休日対応が許される案件を選ぶことで、副業の余地を広げられる
実際にエージェント経由で「週3日稼働の案件をメインにしつつ、残りの時間で直契約の副業案件を受けている」エンジニアも少なくありません。
4. エージェント案件と副業を両立するためのポイント
(1) 稼働日数を調整する
フルタイム週5案件を取ると、副業の余裕はほぼゼロになります。副業を前提とするなら、週2〜3日の案件を探すのが必須です。最近は「週3日・リモート可」の案件も増えてきました。
(2) 契約条件を確認する
必ず副業禁止条項があるかどうかを契約前にチェックしましょう。特に大手クライアント案件では、規約が厳格なことが多いです。もし副業がしたいなら、エージェントに事前相談するのが安全です。
(3) 副業内容を工夫する
- 本業案件と競合しない分野を選ぶ(例:本業は金融系、サイドでは教育系アプリ開発)
- 単発の納品案件や自分のプロダクト開発にあてる
- 時間単価が高い小規模案件を狙う
(4) キャパシティ管理
副業可能だからといって、稼働を詰め込みすぎると品質低下や納期遅延につながります。「本業8割・副業2割」くらいが現実的なバランスです。
5. 副業としてエージェント案件を受けるメリット・デメリット
メリット
- 高単価の副収入を得られる
- エージェントが案件を紹介してくれるので営業負担が少ない
- 新しい技術や業界知識を得られる
デメリット
- 契約条項によって制限される場合がある
- 稼働時間が重なると両立が難しい
- 複数案件のスケジュール管理が大変
6. どんな人におすすめか?
- 会社員から副業としてフリーランス案件に挑戦したい人
→ 週2〜3日のリモート案件を選べば可能性あり。 - フリーランスとして独立を目指す人
→ 本業のエージェント案件+副業で直契約案件や自作アプリ収益を並行するのが理想。 - 安定収入を確保しつつ経験を積みたい人
→ メイン案件をエージェント経由、副業でポートフォリオ作りという形が現実的。
まとめ
エージェント経由の案件は「副業禁止」のイメージを持たれがちですが、実際には案件の選び方と契約条件次第で副業は可能です。
- フルタイム週5案件は副業不可に近い
- 週2〜3日の案件なら副業と両立できる
- 競業避止条項や副業禁止規定には要注意
- 無理のないスケジュール管理が最重要
フリーランスとして自由度を高めたいなら、エージェント案件をうまく活用しつつ、副業や自分のプロダクト開発に時間を割くのがおすすめです。
👉 エージェント案件は「本業」としても「副業」としても活用できるツール。自分のキャリア戦略に合わせて、最適な形で取り入れていきましょう。

