フリーランスとして活動していると、案件を安定的に獲得するために「複数のエージェントに登録しても大丈夫なのか?」と疑問に思う人は多いでしょう。
ひとつのエージェントに絞った方が良いのか、それとも複数に登録して幅広くチャンスを探した方が良いのか。実際のところ、フリーランスにとって エージェントの掛け持ちは珍しいことではなく、むしろメリットが大きい のです。
本記事では、エージェントを掛け持ちするメリット・デメリット、注意点、そしておすすめの活用方法について詳しく解説します。
1. エージェントを掛け持ちすることは可能?
結論から言えば、複数のエージェントに登録しても全く問題ありません。
エージェントはフリーランスと専属契約を結ぶわけではなく、あくまで「案件を仲介するサービス」です。法律的にも契約上も、複数登録を禁じるルールは基本的に存在しません。
むしろ多くのフリーランスは複数のエージェントを併用し、それぞれの案件やサポートを比較して最適な案件を選んでいます。
2. エージェントを掛け持ちするメリット
① 案件の選択肢が増える
エージェントごとに取引先の企業や得意分野は異なります。複数登録すれば、紹介される案件の幅が一気に広がります。
- A社:大手企業の安定案件に強い
- B社:ベンチャーやリモート案件に強い
- C社:高単価・先端技術に特化
このように特徴を使い分けることで、自分に最適な案件を見つけやすくなります。
② 単価比較ができる
同じような案件でも、エージェントによって提示単価が異なることがあります。複数エージェントから見積もりを取れば、相場を把握しやすくなり、結果的に単価アップ交渉にもつながります。
③ 案件途切れのリスクを減らせる
ひとつのエージェントだけに依存していると、案件が途切れた時に収入が不安定になります。複数登録しておけば、案件が途切れるリスクを分散できます。
④ 自分に合った担当者と出会える
エージェントは担当者によってサポートの質が異なります。複数に登録することで、自分と相性の良い担当者を見つけやすくなります。
3. 掛け持ちのデメリット・注意点
① 同じ案件に複数応募してしまうリスク
複数のエージェントが同じ企業案件を扱っていることがあります。知らずに二重応募すると、クライアントに不信感を与える可能性があるため注意が必要です。
② スケジュール管理が大変になる
複数エージェントから同時に案件を紹介されると、面談日程や返信対応が重なり、管理が煩雑になることがあります。
③ 信頼関係を築きにくくなる
特定のエージェントに専念する場合と比べると、担当者との関係が薄くなりがちです。「この人に最優先で案件を紹介しよう」と思ってもらえにくい点もあります。
4. 掛け持ちする際のポイント
ポイント1:優先順位をつける
複数登録しても、常にフル稼働する必要はありません。自分に合ったエージェントを「メイン」に据え、それ以外はサブ的に使うとバランスが良いです。
ポイント2:二重応募を避ける
紹介された案件はメモやスプレッドシートで管理し、どのエージェント経由か明確にしておきましょう。
ポイント3:相手に誠実に伝える
エージェントの担当者に「複数のエージェントに登録しています」と正直に伝えても問題ありません。むしろ透明性がある方が信頼されやすいです。
ポイント4:契約形態を理解しておく
エージェント経由の契約は「準委任契約」が多く、直契約や他エージェントとの案件と併行しても原則問題ありません。ただし、独占契約条項がある場合は確認が必要です。
5. 実際の活用パターン
- 安定+挑戦型
メインのエージェントで週4〜5稼働の安定案件を獲得し、サブのエージェントで週1〜2のリモート案件に挑戦。 - 比較型
同時に複数の案件紹介を受け、単価や条件を比較してベストな案件を選ぶ。 - 保険型
現在はひとつのエージェント案件に集中しつつ、サブ登録を継続しておき、案件終了後すぐ動けるよう準備する。
まとめ:掛け持ちはむしろ有効。ただし管理がカギ
フリーランスにとって、エージェントの掛け持ちは大いにアリ です。むしろ掛け持ちすることで、案件の幅が広がり、単価交渉やリスク分散にもつながります。
ただし、
- 二重応募を避ける
- 案件を整理して管理する
- 担当者に誠実に対応する
といった基本を押さえなければ、逆に信頼を失うことになりかねません。
「掛け持ちしてはいけない」と思い込まず、複数エージェントをうまく活用することこそ、フリーランスが安定して働き続ける秘訣といえるでしょう。

