フリーランスエンジニアにとって、エージェント選びは「稼げるかどうか」を左右する最重要ポイントです。
同じスキル・同じ案件内容でも、選ぶエージェントによって年収が100万円以上変わることも珍しくありません。
しかし、多くの人が「案件が紹介されたからとりあえず契約する」という受け身の姿勢になりがち。
本記事では 単価を最大化したいエンジニア向けに、エージェント選びの基準と交渉戦略を詳しく解説します。
■ なぜエージェントによって単価が変わるのか
その理由は、エージェントのビジネスモデルにあります。
エージェントは、
クライアント企業に請求する単価 - エンジニアへ支払う単価 = マージン
で利益を得ています。
つまり・・・
✅ クライアントに高く請求する交渉力
✅ マージンが低い(公開している)
✅ 直請けへの強さ
があるほど、あなたの単価は高くなるのです。
反対に、
❌ 下請け → 下請け → エージェント → あなた
のように中抜きが多い構造では、利益がどんどん削られます。
■ 「高単価エージェント」の条件5つ
単価を上げられるエージェントには共通点があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ① 直請け案件が多い | 中抜きが少なく単価が高くなりやすい |
| ② マージン公開 | 取り分が透明なため交渉が有利 |
| ③ エンジニア担当の交渉力が強い | 単価アップや継続交渉に本気 |
| ④ 支払いサイトが短い | キャッシュフロー改善=交渉余地 |
| ⑤ エンジニアを守る姿勢がある | 不利な条件を排除してくれる |
特に重要なのは 直請け率とマージン公開。
この2点を見るだけでも単価差は大きくなります。
■ 選んではいけないエージェントの特徴
逆に、次の特徴があるエージェントには注意が必要です。
- マージンを絶対に教えない
- 契約更新のタイミングで急に態度が悪化
- 案件の詳細が不明確
- 「スキル低いからこの単価で当然」と圧をかけてくる
- 案件切れのフォローが弱い
- 「ウチでしか働けません」と囲い込みを図る
このようなエージェントは、
あなたではなく自分の利益だけを優先している証拠です。
■ 単価を最大化するエージェント運用術
選び方だけでなく「使い方」も成果に直結します。
◆ 1:必ず複数エージェントに登録する
最適解:最低3社同時運用
理由:
- 相見積もり効果で単価交渉が有利
- 案件切れリスクを分散できる
- 最も「エンジニアを高く売る」エージェントが見つかる
◆ 2:希望単価は一番高い数字から提示
エージェントは 下げ方向の調整は得意、上げ方向は弱いため、
最初から余裕を持った希望額を出すのが鉄則。
例:
「70万円希望ですが、80万円も検討したいです」
これだけで 月5〜10万円アップに繋がることも普通です。
◆ 3:案件参画後も定期的に単価改定交渉
長期常駐だと、単価は放置されがちです。
しかしスキル成長・役割増加などに合わせて、
「次回更新で単価を見直してほしい」
とエージェントからクライアントに交渉してもらいましょう。
◆ 4:スキルシートを常にアップデート
高単価案件ほど、
最新技術×実務経験が求められます。
- 新技術を触ったら案件外でも実績化
- 数字・担当範囲・評価を具体的に記載
エージェントの提案材料を強化するほど、単価は自然と上がります。
◆ 5:エンジニアを大切にする担当者を選ぶ
担当者の営業力こそ単価を決める最大要因。
優秀な担当の特徴:
- 商談準備のフィードバックが具体的
- 単価交渉を自分ごとで考えてくれる
- 不利な契約条件を避けてくれる
- 案件終了前から次の案件を動く
担当者評価リストを作って比較候補から外すのも有効です。
■ 単価アップを狙うべきタイミング
独立初期は実績づくりが優先。
しかし、次の条件が揃ったら 攻め時です。
- クライアントから信頼がある
- 担当範囲が広がった
- 市場価値のあるスキルを習得した
- 他エージェントからスカウトが届き出した
つまり、
市場価値が高いときに値上げする
のが最も成功確率が高い戦略です。
■ 「相場を知る」ことが最大の武器
単価はスキルではなく、
市場と交渉によって決まるというのがポイント。
- エージェント複数登録で相見積もり
- 直請け企業の募集単価を調査
- 友人フリーランスと単価情報共有
情報を握る人ほど、高く売れます。
■ まとめ:単価は自分でコントロールできる
- エージェント選びは収入差に直結
- 直請け・マージン公開・交渉力が最重要
- 複数登録+相見積もりが単価最大化の王道
- スキルシート改善と交渉は継続的に
- 担当者の質を必ず確認する
「自分の市場価値を正しく評価し、
その価値で売ってくれる味方を選ぶ」
これがフリーランス成功の本質です。

