税理士を雇うべきタイミングと費用感のリアル【フリーランスエンジニア】

💰 お金・生活編

フリーランスとして独立したばかりの頃は、

「確定申告くらい自分でできる」と思う人が多いでしょう。

実際、開業初期はクラウド会計ソフトを使えば一人でもこなせます。

しかし、事業が軌道に乗るにつれ、経理や税務の手間は確実に増えていきます。

収入・経費・節税・消費税・インボイス制度…

これらをすべて自分で管理するのは、時間的にも精神的にも大きな負担です。

では、どのタイミングで税理士を雇うべきなのか?

そして実際の費用感はどれくらいなのか?

この記事では、フリーランスエンジニアが知っておくべき現実的なラインを整理します。


1. 税理士を雇うべきタイミングはいつ?

結論から言うと、「売上が年間500万円を超えたら」検討を始めるのが目安です。

それ以下の規模なら、クラウド会計ソフト+自力で十分対応可能。

しかし、次のような状況が一つでも当てはまるなら、税理士導入を真剣に考えるべきです。

タイミング1:確定申告に10時間以上かかるようになった

帳簿・領収書・経費仕分けに週末がつぶれるようなら、

本来の仕事(開発や営業)に支障が出ています。

時給換算で考えれば、税理士に任せたほうがむしろコスパが良いケースが多いです。

タイミング2:売上が月50万円を安定的に超えた

収入が安定してきた段階では、「節税対策」が重要になります。

青色申告特別控除、減価償却、経費計上のバランスなど、

プロの助言を受けることで、数十万円単位で税金を抑えられることもあります。

タイミング3:インボイス登録や消費税申告が必要になった

2023年以降のインボイス制度で、課税事業者になる人が増えています。

消費税の計算・申告は自力だと非常に複雑。

「知らない間に損していた」というケースも多いため、ここが最も税理士の出番です。

タイミング4:法人化を検討している

法人設立・決算・社会保険などの手続きは、

個人事業の延長では対応できません。

この段階で税理士に相談すれば、設立タイミング・役員報酬・経費配分などを最適化できます。


2. 税理士を雇うメリット

税理士を「申告代行をする人」とだけ思っている人が多いですが、

実際はそれ以上の価値を提供してくれます。

メリット1:節税アドバイスで「合法的に税金を減らせる」

自分では気づかない経費の取りこぼしや控除を見つけてくれます。

たとえば次のような項目です。

・自宅家賃や光熱費の一部(家事按分)

・仕事用PC・スマホの減価償却

・通信費・ソフトウェア費用

・生命保険料・iDeCo・小規模企業共済

これらを正しく処理するだけで、所得税や住民税を大幅に減らせることがあります。

メリット2:確定申告のストレスから解放される

毎年2月の地獄のような申告作業を、丸ごと委託できます。

帳簿整理・書類作成・e-Tax送信まですべて代行してくれるため、

開発業務や新しい案件獲得に集中できます。

メリット3:税務署対応を任せられる

万が一、税務調査や問い合わせがあった場合でも、

税理士が窓口になって対応してくれます。

「専門家がついている」という安心感は非常に大きいです。

メリット4:将来的な経営アドバイスがもらえる

フリーランスを長く続けていくと、

「事業拡大すべきか」「法人化すべきか」「どのタイミングで設備投資すべきか」

といった経営判断の局面が出てきます。

税理士は数字に基づいたアドバイスをしてくれるため、

戦略的にキャリアを設計する上で心強い存在になります。


3. 税理士費用の相場感

費用は契約形態と業務範囲によって大きく異なります。

ここではフリーランスエンジニアが利用する典型的なプランを紹介します。

契約タイプ月額費用年間総額(目安)内容
年1回の確定申告のみ3〜10万円3〜10万円帳簿を自分で整理し、申告だけ依頼
毎月顧問契約月1〜2万円年12〜24万円月次処理+決算・申告含む
訪問型/高サポート月3〜5万円年30〜60万円節税提案・経営相談込み

多くのエンジニアは「年1回スポット依頼」か「オンライン顧問(月1万円前後)」を選びます。

クラウド経理ソフトと併用することで、コストを抑えながら安心を得られます。


4. 税理士を選ぶときのポイント

1. IT・フリーランス業界に詳しいか

あなたの業種を理解しているかどうかで、節税提案の質が変わります。

「ソフトウェアやクラウド利用料はどう経費にするか」「リモート環境の家賃按分は?」など、

実務に即したアドバイスができる税理士を選びましょう。

2. クラウド会計に対応しているか

freeeやマネーフォワードに対応していない税理士は、

いまだに紙・Excel中心の処理をしていることがあります。

フリーランスにとっては非効率なので、クラウド対応が必須です。

3. 連絡のスピードと相性

「相談しやすい」「返信が早い」は意外と重要です。

申告直前にレスが遅い税理士だとストレスが溜まります。

面談時にコミュニケーションのテンポを確認しておきましょう。

4. 契約の柔軟性

開業初期は年1回契約で十分。

事業が拡大してきたら、月額顧問へ移行できる柔軟な契約形態が理想です。


5. 税理士に頼むデメリットも理解しておく

・費用が固定コストとして発生する

・人によって対応品質にばらつきがある

・丸投げしすぎると、自分の数字感覚が鈍る

「全部お任せ」で思考停止すると、無駄な経費が出ていることにも気づけません。

税理士を“任せきり”ではなく、“一緒に管理するパートナー”と捉えるのが大切です。


6. 税理士に依頼する前に準備しておくこと

・クラウド会計ソフトを導入しておく

・口座・クレカ・電子マネーを整理

・レシートはスキャン or 撮影で保存

・経費の分類ルールを自分でも理解しておく

これらを整えてから依頼すれば、作業工数が減り、費用も安く済みます。

税理士に渡す資料は「できるだけ整理済み」が鉄則です。


7. まとめ:税理士は「費用」ではなく「投資」

フリーランスにとって、税理士を雇うことはコストではなく“リターンを生む投資”です。

確定申告にかかる時間・税金・ストレスを考えれば、

年間10〜20万円の顧問料は十分に元が取れるケースがほとんどです。

・売上が年500万円を超えたら検討開始

・インボイス・消費税対応で迷ったら早めに相談

・クラウド対応+業界理解のある税理士を選ぶ

・数字を“共通言語”にできる関係を築く

税理士を味方につけると、あなたの事業は一気に加速します。

確定申告を「戦略の時間」に変えるために、

そろそろ“プロ”をパートナーに迎える準備を始めましょう。

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