会社員からフリーランスに独立するとき、多くの人が気になるのは「お金のリアル」です。
自由な働き方に憧れて独立しても、収入はどうなるのか、支出は増えるのか、貯金は減らないのか――不安は尽きません。
この記事では、フリーランス1年目に直面しがちな「収入」「支出」「貯金」のリアルを整理し、乗り越えるためのポイントを紹介します。特にエンジニアとして独立する人に役立つ視点を中心に解説します。
1. 収入のリアル
案件単価は高い、でも波がある
フリーランスエンジニアはスキル次第で高単価の案件を獲得できます。週3日常駐でも月30〜40万円、フル稼働なら月60万円以上というケースも珍しくありません。会社員時代よりも月収は上がりやすいのが事実です。
しかし注意すべきは「収入の波」です。
- 案件獲得まで時間がかかる
- 契約が更新されないこともある
- 報酬の支払いが1〜2か月遅れることもある
そのため「今月は多いけど、来月はゼロに近い」という極端な状況もあり得ます。フリーランス1年目は特に営業基盤が弱いため、収入の上下に振り回されがちです。
副収入の重要性
収入を安定させるためには「複数の収入源」を持つことが鍵になります。
- クライアント案件(メイン収入)
- 自作アプリや広告収入(ストック収入)
- 技術記事や書籍執筆
1本に依存しないことで、精神的にも経済的にも安定しやすくなります。
2. 支出のリアル
会社員時代より増える費用
フリーランスになると、今まで会社が負担してくれていたものを自分で払う必要があります。
- 国民健康保険
- 国民年金
- 住民税
- 事業用のソフト・ツール費
特に健康保険と年金は「こんなに高いの!?」と驚く人が多いです。さらに住民税は前年の収入ベースで請求されるため、独立直後は会社員時代の所得に基づく金額が来て、一気に支出が増えたように感じるでしょう。
初期投資もかかる
仕事環境を整えるために、PCやモニター、デスク、椅子などを新調する人も多いです。初期投資は数十万円規模になることも珍しくありません。ただし、これらは業務に必要な経費として計上できるので、節税効果を意識して購入すると安心です。
3. 貯金のリアル
「減るスピード」が速い
フリーランス1年目は、収入が安定せず支出が増えるため、貯金が目減りしやすいです。特に「税金」と「保険料」の支払いが想像以上に大きく、半年で数十万円が消えることもあります。
そのため、独立前に最低でも生活費6か月〜1年分は用意しておくことが推奨されます。貯金のクッションがあるかないかで、精神的な安心度が大きく変わります。
税金・保険の積み立ては必須
報酬が振り込まれると「全額が自由に使えるお金」と勘違いしがちですが、そこから税金や保険料を支払う必要があります。
目安として、収入の30%は税金・保険のために別口座へ積み立てておくと安全です。これを怠ると、確定申告や住民税の請求で大きなショックを受けます。
4. フリーランス1年目を乗り切るための工夫
- キャッシュフローを把握する
会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)を使い、収入と支出をリアルタイムで管理。 - 固定費を下げる
サブスクや通信費を見直し、支出のベースを軽くしておく。 - 税金・保険料の積立を習慣化する
収入の一部を強制的に貯金口座へ移す。 - 仕事のパイプを増やす
エージェント経由、直接契約、知人紹介など複数のルートを確保する。 - ストック収入を育てる
アプリや広告収入など、時間に依存しない収益源を少しずつ作る。
まとめ:1年目は「守り」と「仕組み化」が大切
フリーランス1年目のお金事情は、想像以上にシビアです。
- 収入は高くても波がある
- 支出は増える
- 貯金は減りやすい
この現実を受け止めつつ、「守り(貯金・積立・固定費削減)」と「仕組み化(会計管理・複数収入源の確保)」を徹底すれば、2年目以降は安定してきます。
フリーランスは自己責任の世界ですが、その分だけ自由も大きい働き方です。お金の不安をコントロールできれば、本当の意味でフリーランスの魅力を実感できるはずです。

