フリーランスという働き方は、自由で魅力的に映ります。好きな場所で、好きな時間に働ける。会社員のような縛りもなく、実力次第で収入も伸ばせる。しかし現実には、フリーランスとして「続けられる人」と「やめてしまう人」がはっきり分かれます。
なぜその差が生まれるのか。そこには、単なるスキルや運ではなく、考え方や習慣の違いが大きく影響しています。本記事では、フリーランスを続けられる人と、途中で断念する人の違いを整理し、長く活動していくためのポイントを考えてみます。
1. 案件の取り方:受け身か、自走できるか
やめる人に多いのは「仕事を待っているタイプ」です。最初は知人紹介やエージェント案件でスタートできても、流れが途切れると収入が不安定になり、不安に押し潰されてしまいます。
一方で続けられる人は、「仕事を自分で作れる人」です。営業や発信を続け、常に新しい案件の入口を広げています。ポートフォリオを整え、ブログやSNSで発信し、見込み顧客から声がかかる仕組みを作る。仕事を“もらう”のではなく、“獲りに行く”姿勢があるかどうかが、大きな分かれ目になります。
2. お金の管理:短期視点か、長期視点か
フリーランスにとって最大のリスクは「収入の波」です。案件が途切れる時期は必ず訪れます。
やめる人は、好調なときに生活レベルを上げすぎ、貯蓄もせず、案件が途切れた瞬間に生活が立ち行かなくなります。会社員時代と同じ感覚でお金を使ってしまい、いざというときに備えがないのです。
一方で続けられる人は、常に「長期目線」でお金を管理します。数か月分の生活費を蓄えてキャッシュフローを安定させ、必要経費や税金も計画的に積み立てます。さらに複数の収入源を持ち、広告収益や自作サービスなどの“ストック型収入”を育てる人も多いです。
3. 学び方:今だけか、未来も見据えるか
技術は常に変化しています。やめる人は「今の案件に必要なこと」しか学びません。そのため、案件が終わったときに次の仕事に適応できず、需要の変化に取り残されます。
一方で続けられる人は「継続的に学ぶ」姿勢を持っています。トレンドを追いかけつつも、アルゴリズムや設計力といった基礎的なスキルに投資します。また、マーケティングやコミュニケーションなど“非技術スキル”も磨き、総合的な市場価値を高めます。
「今のため」ではなく「未来のため」に学べるかどうか。この違いが、キャリアの持続力を左右します。
4. コミュニケーション:孤立か、つながりか
フリーランスは一人で働けますが、「一人ぼっち」になってしまうと続けにくいものです。やめる人の多くは、孤独に耐えられずメンタルを消耗してしまいます。
続けられる人は、オンラインコミュニティや勉強会、SNSなどを通じて「仲間とのつながり」を持っています。技術的な相談や情報交換ができるだけでなく、励まし合える環境があることが大きな支えになります。孤立せず、人との関係を築ける人ほど、長くフリーランスを続けられるのです。
5. 仕事観:受託のみか、自分の資産も作るか
フリーランスが短期で終わる理由の一つに「時間=収入の交換しかしていない」という構造があります。案件がなくなれば収入もゼロ。これでは不安定さに耐えきれず、会社員に戻る人も少なくありません。
続けられる人は、受託案件をこなしつつも「自分の資産づくり」に取り組みます。ブログ、書籍、アプリ、テンプレート、オンライン教材など、自分が作ったものが収益や信用につながる仕組みを育てています。これにより収入の下支えができ、精神的にも余裕が生まれます。
まとめ:続けられる人の共通点
フリーランスとして生き残るかどうかは、スキルや才能だけでは決まりません。
- 自分から案件を取りに行く
- 長期的なお金の管理ができる
- 継続的に学び続ける
- 人とのつながりを持つ
- 受託だけでなく資産を育てる
この5つの習慣を持てる人は、長期的にフリーランスを続けられます。逆に、受け身で、短期的で、孤立している人は、どんなに優秀でもやめざるを得なくなります。
フリーランスは「自由」と「責任」の両輪で成り立つ働き方です。そのバランスを取れる人こそが、“続けられる人”になれるのです。

